売れる通販広告制作セミナー 吉川英之

第23回 脳科学を活用する3 脳科学が証明してくれる

最近よくTVでも脳科学の話題が取り上げられるようになってきました。少しは認知されてきたかな、と思うこの頃ですが、その脳科学を通販広告の中で活用していこう、という段階にまできていないとが現状。いまだに結果がこうだったから、という結果至上主義で、その根拠となるところを解明していかない現場が多いことは残念です。その解明を脳科学という視点で考えてみると、より確実な根拠となるのですが・・・。

前置きはこのくらいにして、今回いかに脳科学が私たちの購買行動を解明してくれるかということをお話ししましょう。
脳科学者たちの研究で、人が何かを買うという時に、つねられた時と同じ痛みの中枢箇所が活性化することがわかっています。つまり私たちの購買行動は脳にとって痛みを感じることなのです。ですから、商品やサービスを販売する方は、いかにその痛みを感じさせず、小さくするか、を考えなければなりません。

アメリカの大学の研究者の研究によると、1回の消費で値段が上がっていく料金システムは私たちの脳へ相当な痛みを与える(痛みの中枢が活性化する)といいます。そういえば、タクシーメーターをずっと見続けていると苦しくなるわけですね(笑)。このように、私たちの脳は私たちが思うより早く刺激を受けているのです。

このような脳の刺激がわかっていたら、1回毎の課金システムが受け入れられにくいことがわかります。有名な話ではAOLが当初課金制度で参入してきましたが、思うようにユーザーが増えず、月額定額制に変更したという例があります。初めから脳の習性を把握しておけば、課金制という方法はとらなかったはずです。

この脳の反応の分析から、どんな売り方がより確実なのか、ということを脳科学は証明してくれるのです。また、売り方だけでなく、脳科学を取り入れればクリエィティブにおいてもより購買へ導くことができるのです。