通販広告を制作するたび、その商品と向き合っていくと“アバタモエクボ”になって客観的に見られなくなることがあります。社運を掛けた商品や担当者の熱意から生まれた商品は特にそうです。そうすると売り手からの視点でしか見られなくなり、消費者心情を無視した広告づくりに陥っていきます。
私も消費者目線、消費者心情を失わないように注意しながらも、ついつい売り手側についてしまうことがあります。そういう状況で制作したものはやはりレスポンスが薄くなります。過去に何度も経験しています。
広告を見る人は、売り手の状況は知りませんから、冷酷です。 商品が自分にどのような利益をもたらすのか、ということだけ知りたいので売り手の事情はどうでもいいのです。
商品のオリエンテーションで、クライアントさんから「貴社は売ろうとする商品を褒めてくれないから落ち込む」と言われたことがあります。私たちは広告を作ってその商品を売るという役目。クライアントさんをヨイショすることではないのです。冷静に買う人の立場でその商品を見ます。なので、時には冷たい言い方もしてしまいます。
でも、だからといって売れないということではなく、その商品の特長や利点をどう伝えたらいいか、足りないところや欠点なども逆手にとって利点へと訴求していけるか、と考えていくのです。
実は通販広告の制作において一番気をつけなければいけないのが、このことです。 頭でわかっているつもりでも、いつのまにか売り手本位になっています。
ときには、第三者などまったく関係ない人に聞いてみるのがいいでしょう。
目が覚めることがあります。
通販広告作りは、胸はホットに、頭はクールに!
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