売れる通販広告制作セミナー 吉川英之

第14回 売るためのデザインレイアウト

前回はビジュアルという大きな枠でお話しました。特にメインのキービジュアルとしての写真に話しのウエイトがかかりましたが、今回からはデザインとレイアウトに触れていきたいと思います。私自身はデザイナーではないのでデザイン理論的なお話はできませんが、今回は売るためのデザインという側面からお話したいと思います。

通販広告で一番難しいのが文字の扱いです。通販広告以外のデザインをしている広告デザイナーの方は、文字は記号や絵柄として扱いがちなような気がします。通販では文字は言葉、メッセージなのです。言葉には抑揚があり、間、リズム、音程があります。気持ちが入っています。その言葉、メッセージをどのように伝えるか、がデザインです。

ですから、文字の大きさ、書体、行間、文字間といった細部までこだわり、広告を見る人に伝えなければなりません。通販広告制作は歌づくりと同じ。詞が広告コピーなら曲はデザインなのです。

また、通販広告では、感覚より論理、カッコ良さより気持ちを優先してデザインします。通販広告ではそれぞれのコンテンツにはあるべき位置があります。単にスペースを埋めるということはしません。論理的に位置関係や強弱などを判断して、そこに気持ちを入れるということでしょうか。

そのためには、広告の中の、コンテンツの優先順位を把握して大きさや色などを考えて目の流れを誘導してこなければなりません。WEBのランディングページはスクロールで購入まで誘導できますが、チラシや新聞、雑誌などの紙媒体は、それができません。見る人はどこから見てくれるかわからないのです。そのために、最初はココを、次はココ…と目が行くように設計していくことが必要なのです。

通販広告を長く作ってきている人でも陥りやすい間違いは、アレもコレも強調したくなって、最終的に全体がぼやけた広告になることです。時には我慢することも必要です。


一般的なグラフィックデザイナーの方に、通販広告のデザインを作ってもらうと、変なアート作品が出来上がることがあります。また、どうデザインしていいかわからない、という人もいます。
それだけ通販広告は特殊な分野なのかもしれません。

私が、いい通販広告のデザイナーの資質として挙げるなら、論理的に考えることができ、感情豊か、人生経験(年齢ではないです)が豊富な人がいいのではないでしょうか。

上手い人は書体の使い方がとても上手です。広告コピーにリズムとメロディをつけてくれます。そういう広告を見ると、なんだか消費マインドが刺激されます。論理的思考と感性のバランスをどうとるか、が通販広告制作の難しいところであります。