売れる通販広告制作セミナー 吉川英之

第8回 マーケティングを学ぶ

前回は通販広告の理想として、“一人で通販広告を作ること”をお話しましたが、実際、広告に落とし込んでいくと、どんな人に売りたいのか、どんな人が買うのか、競合商品とどう差別化があるのか、価格はどうか、商品の市場性はどうか?など多くの疑問が湧いてきます。その疑問を解決するためにはマーケティングの知識やマーケティングデータが必要になってきます。


自分がやっているのは通販だから、といって通販のことだけ勉強すればいいか、というとそれは違います。消費者の購買手段は、通販だけではないのです。今の時代消費者は幅広い選択肢の中から、必要な商品を選ぶことができます。その中で、自社商品がどういう位置にあって、選ばれるためには何が必要か、という広い視野で見ないといけません。
  どんな広告を作れば売れるか、どんなコピーが売れるかということだけでなく、ベースとなるマーケティングを考えた上で通販広告の企画を立てるべきです。

また、商品を売ろう、とするターゲット層のことも熟知することが必要です。よくある失敗の元が、勝手にイメージを決め付けてしまうことです。例えば担当者が20代の女性で、ターゲットが50代だとすると、その20代の女性担当者はどうしても50代をかなり老けたイメージでとらえる傾向にあります。この層はこうだろう、と仮説を立てるのはいいのですが、やはり実際にその層の人たちの考えや悩みに触れ、行動意思決定パターンを見るべきです。自分と同じ世代だったり、ライフスタイルが似ていたりしてれば推測とさほど違わないかもしれませんが、離れているとかなり大きく隔たりがあります。ただ、その隔たりを埋めないとターゲットに響くものはできないのです。
  ですから、日頃から、幅広い世代やライフスタイルの違う人たちと接し、いろんな価値観や人生観、考え方、悩みなどを知ることが、いい通販広告をつくる力になります。


時代の変化により、マーケティング手法なども変化しては行きますが、マーケティングの基本は押さえつつ、時代の変化を感じながら自分なりのマーケティングセンスを磨くのがいいでしょう。通販広告も以前の勝ちパターンの広告が今も通用するかといったらそれはNOです。マーケットが変化しているのです。製品ライフサイクルの4段階の中、どの位置にあるか、でも違います。そのあたりを総合的に判断して通販広告に落とし込んでいかないと、本当に売れる広告はできません。