売れる通販広告制作セミナー 吉川英之

第5回 意思決定要因に着目する

商品やサービスを購入するということは、そこに決断という行為があります。そしてその決断をするにあたっては、その人にとってのなんらかのキメテになるポイントがあるはずです。それを私は意思決定要因と言っています。

わかりやすい例でいえば、車など大きな買い物をする時、誰かにどれがいいか、と聞いてから決めるという人、いろんなカタログを集めて情報収集して比較してから決める人、また、メーカーの理念や企業姿勢を重視して決める人、予算内で条件のいいものを、手間なく買えればいいという人などがいますね。

普段買い物をする時には意識していないと思いますが、人それぞれにこの意思決定要因が異なり、買い物の仕方が違うのです。買うという判断行為において、何をポイントにするか、が違うといことです。そしてこの人の意思決定要因は大きく4つに分類されます。


(1)ブランド、ステータス、シェア重視
  その商品やサービスなど第三者からの評価を重視するタイプ。

(2)品質や人柄、理念重視
  品質やメーカーの企業理念などを見極めるタイプ。

(3)コストパフォーマンス・合理性重視
  価格と性能のバランスや販売システムの合理性を重視するタイプ。

(4)先進、流行、技術、比較重視
  商品やサービスの詳細を他と比較して判断するタイプ。

あなたの意思決定タイプは(1)〜(4)のどれですか?


実はこのような4つの意思決定要因は、通販広告の中にも活かされています。「シェアNo.1」とか、著名人の推奨コメントは(1)、社長や開発者のコメントなどは(2)、「この品質でこの価格」という訴求は(3)、「他社商品と比べると…」などは(4)という具合です。広告を見る人が(1)〜(4)のどのタイプかあらかじめわかっていれば、そのポイントを強調すればいいのですが、通販広告はどんなタイプの人かわかりませんから、広告内に(1)〜(4)の要素を盛り込んでおくようにします。

この意思決定要因の4タイプから学ぶことは、人はそれぞれ優先する要因が違うということです。この違いがあるということを念頭においておくことは、たいへん重要なことです。

ある通販会社の社長は典型的な(1)のタイプなので、制作する広告には、「日本一、大学教授も推薦、セレブが愛用」などのコピーを多用したがります。しかし(1)以外の人には、その訴求は響かないということになります。自分の意思決定要因が他の人も同じだと考えるべきではないのです。

価値感や考え方が人それぞれであるように、物やサービスを購入決定するキメテ(意思決定要因)も人それぞれなのです。ここを踏まえて考えないと、独りよがりなものになってしまいます。この意思決定要因の把握も人を知ることにつながります。