売れる通販広告制作セミナー 吉川英之

第12回 売れる表現に落し込む

明けましておめでとうございます。 今年は辰年。大きな事業が成る年だそうです。「戌亥(いぬい)の借金 辰で返せ」という相場の格言もあるそうです。 経済は気持ちで動きますから、皆前向きにいてくれることを願っていたいです。

さて、セミナーですが、前回は切り口についてお話しました。今回はその切り口から、具体的にどのような表現をしていくか、をお話します。

例えば、一般的な広告は、表現にヒネリを効かせて作る傾向がありますが、通販広告の場合は、広告が面白いか、どうかではなく、広告する商品が売れなければ意味がないのです。ですから、よりストレートに、わかりやすく伝えることが基本です。実はこの「よりストレートに、わかりやすく」というのがとても難しいのです。相手が知らない商品や事柄をわかりやすく説明してみてください、なかなかわかってもらえないことがよくわかります。

切り口を見出すこと、そして表現に落とし込むことができれば、広告の8割は成功です。 では、わかりやすく説明するのにはどうしたらいいのか?まずひとつは商品の特長を身近なことに置き換えることです。商品の特徴をズラズラと述べても、相手はピンときません。そして、ベネフィット(商品を買う人が得られるメリット・利益)をストレートに語ることです。さらに相手に合わせた表現をすべきです。みんながわからなくても、その商品が必要な人が「なるほど、そうか」とわかればいいんです。みんなに理解させるようにすると、ぼやけてしまいます。

例えば、あるサプリメントの広告のキャッチで「朝までトイレに起きないんだ」というのがあります。男性の前立腺肥大症対策のサプリメントの広告ですが、この病気に悩んでいる人は夜中にちょくちょくトイレに起きてしまうので、睡眠も良く取れずにいます。そういう悩みがある人には、このメッセージはリアリティがあり、よくわかります。サプリメントの場合は薬事法の規制などがあり、ストレートな効果効能は言えませんが、この「朝までトイレに起きないんだ」というのは身近な悩みの解決とベネフィットを伝えています。この悩みがない人には何だかわからない広告に見えますが、商品を買って欲しい人にわかればいいのであって、皆がわかる必要はありません。

このように、よりリアリティのあるシチュエーションの中で、思うこと、感じること、不満に思っていること、などを挙げて、その中から、ベネフィットと結びつけるような表現を考えます。

その表現のヒントは、その商品を使って欲しいと思うターゲット層の話を聞いたり、愛用者方の購入動機などいろんな情報収集する中から説得力にあるものを見つけましょう。 その際自分の価値判断で解釈しないように心がけましょう。世代やライフスタイルにより、価値感や求めるもの、言葉が違います。例えば、50代女性はこうだ、とか、60歳の人はこうだ、とか同世代でもないのに想像でものを見るのはいけません。共感することが大事です。